Interviewインタビュー

No.44

公開日:2021/09/01 

デジタルハリウッドで磨かれる「面白いことを発見する嗅覚」

ライター占い師 デジタルハリウッド大学大学院

No.44

ライター/馬主/占い師/不動産業
田中俊平さん(デジタルハリウッド大学大学院修了)

フリーランスで働きながら、ディレクションやプロデュースの必要性を感じ、デジタルハリウッド大学大学院へ進学した田中俊平さん。卒業後には他の大学院へも進学するなど、学びに貪欲な田中さんだからこそ見えたデジタルハリウッド大学大学院の魅力についてお聞きしました。
(※このインタビューは、2021年7月当時の内容です。)

ディレクションやプロデュースを学ぶために大学院へ

Q
大阪芸術大学を卒業後、デジタルハリウッド大学大学院を志した理由やきっかけについて教えてください。
A
私はデジタルハリウッド大学大学院の2期生なので、入学したのは2005年のことだったでしょうか。その頃フリーランスとして働きながら、「40歳を過ぎたらデザイナーやWebの仕事を今のまま受け続けることは厳しい」「ディレクションやプロデュースについて学ばなければ」と感じていました。

今はプロデュースやディレクションを学ぶ講座や学校は数多くありますが、当時それらを学んでDCM(デジタルコンテンツマネジメント)修士の学位が取得できる学校はデジタルハリウッドだけ。フリーランスでは業務を通してその立場を学ぶことが難しかったこともあり、デジタルハリウッド大学大学院への入学を決めました。

Q
大学院での学びにおいて印象的なエピソードを教えてください。
A
自衛隊出身のユニークな先生で、三淵啓自先生という方がいらして、実際にプロダクトやサービスを作る授業がありました。今ではそれほど珍しくないかと思いますが、当時はすごく珍しい授業でしたね。

具体的には、当時(15年前)のIT環境の中で何かしらのサービスを考えるという課題があったんです。私は放送に関する仕事をしていたので、テザリングができる携帯電話とSkype、小さなパソコンを組み合わせて中継パッケージを作ったらどうかと提案しました。自信があったのに、先生からの評価は高くなく……すぐサービス化できるものを考えたつもりだったのですが、既存のアイテムをつなげただけよりも新鮮味が欲しかったのかも知れません。でも、その授業の半年後には、ほかの会社から似たサービスがリリースされていたので、目の付け所は良かったと満足しています!

Q
現在の活動に、デジタルハリウッドでの学びが活きていると思うことがあれば教えてください。
A
2005年当時は、いわれたものを作ることが仕事のメインでした。でもその後「予算をつけるから、こういうのを作ってほしい」とある程度構成を自分に任される形でのオーダーを受けられるようになったのも、デジタルハリウッドでの学びがあったからだと感じています。それまで作るだけの立場から、コンテンツのクオリティを担保するディレクター側へ軸足を移せたことは大きいですね。

もし大学院で学んでいなかったら、もっと制作に時間がかかってしまったか、「できません」と断り続けてチャンスを逃し続けたか、どっちかになっていたと思います。

デジタルハリウッドだからこその人間関係

Q
在学中に知り合い卒業後も親交があるご友人や、一緒に活動するような関係のデジタルハリウッド関係者はいらっしゃいますか?
A
学校を卒業してからのほうが「あなたもデジタルハリウッドなのですね」という形で、多くの人たちと繋がりが生まれていった気がしますね。

例えば、当時、山本和夫先生のゼミを手伝いに行って、そこで株式会社フレイム取締役の北田能士さんと出会いました。そこから色々な話が始まって、気がついたら仲間も増えているような状態に。卒業後、10年以上経っても仲良く過ごせるのは、やはりデジタルハリウッドという共通言語の存在が大きいのだと思います。

仲良くなったメンバーで、海外旅行に「テーマにそったアイテムをひとり1つ持ち込む」など、自分たちが笑えるような、ちょっとばかげたことをしたこともありましたね。そのとき、回す場所もタイミングもないのにDJ機器を持ってきた仲間がいたのは衝撃的でした(笑)。そんな思い出も、若い頃ではなく30半ばになったいい大人たちの話。いくつになっても、一緒に笑いあって遊べるのって大事ですよね。大人になってからそんな友達ができたのもデジタルハリウッドだったからこそだと思います。

Q
田中さんは別の大学院でも学ばれていますが、そのご経験から、デジタルハリウッドならではの特徴や魅力だと感じる部分はありますか。
A
デジタルハリウッド大学大学院の場合、先生方が学校を離れて会社やプロジェクトをやられたりすると、色々な人が集まります。在学中にそれほど関わることがなかった人とでも、そういった場を通して、学校外でデジタルハリウッドのつながりができるのです。

とくにデジタルハリウッドの中で「あの人は、これができる」ということを共有されていると、自然とその人に声がかかるんですよね。「仕事だからやってほしい」という文脈で声がかかると断ることもあると思うのですが、学校の延長線上で「手伝ってくれ」と言われると「あの人の頼みなら」と自然と動けるのです。

そう考えるとゼミを通じて在学生、卒業生が付き合える点はデジタルハリウッドのいい点。10年経っても20年経っても仲間と動ける、先輩後輩とつながれるというのは、他ではまずないと思いました。

ほかの学校ではメンバーの経歴や性質からも、「一緒に何かに取り組む」ということは、あまり考えられませんでした。デジタルハリウッドでは興味のフィールドが近いからでしょうか。同じITやデジタルのプロダクトを作っているという面でも、戦友感があります。

これからは「リアルの場」に注目!

Q
デジタルハリウッドの学校理念は”Entertainment. It’s Everything!” ですが、田中さんはこの言葉をどのように解釈されていますか?
A
私は趣味で馬主をやっていて毎月何十万円も馬の育成代に充てているのですが、杉山知之学長にこの話をしたら「なんでそんなことをやってるの?」と言われたんですよね。

それに対して私は「これもエンターテインメントですよ」と伝えたんです。競馬ゲームの延長線上でやっていること、ゲームの延長線上なのだから、これもエンターテインメントだよとお話ししました。すると杉山学長から「ほう」と納得頂けたのです。

この時に思ったのですが、杉山学長のような “エンターテインメントの達人”でも、よく知らないカテゴリだと、エンターテインメントに見えないことがあるんだなと気づきました。

そう考えると、エンターテインメントは世界中にあって、まさに“Everything”だなと感じたのです。

まだまだ私たちの気づいていないエンターテインメントがあるはずなんですよね。誰が最初の発見をして発信するか、それがすごく大事なのかもしれません。

Q
コロナ禍のエンターテインメントの可能性や需要について、ご自身の活動から、田中さんはどのように捉えられていますか?
A
コロナにより何でもオンラインにシフトしていました。でも、今はワクチンも増えてポストコロナへ意識が移ってきている気がします。私の周りでは、コロナ禍が落ち着いた時のことを見越して、リアルスペースを仕込みはじめている人が少しずつ出てきました。エンターテインメントもまた、リアルの場に戻ってくると思います。

ただ、これは再びオンラインイベントが縮小するということではありません。デジタルはそのままのサイズで存在しながら、リアルイベントが大きくなっていくという形になっていくのではないかと想像しています。

Q
今後の目標、将来像があれば教えてください。
A
私もコロナ禍が落ち着いたら、リアルスペースで占いイベントをやってみたいなと思っています。

また、デジタルハリウッドやもう一つの大学院を卒業して10年以上経ちました。これまで会社を作ってお金を稼ぐということばかりやってきて、勉強していないなと最近気づいたのです。

そんなときに出会ったG’s ACADEMYの人が、不動産とテクノロジーを掛け合わせたことをやっていたのですね。自分がこれまでやってきた不動産とデジタルハリウッドでの学びを融合すれば、何か新しいビジネスが作れるなと。自分の勉強が足りていないことで、チャンスを逃すのは嫌なので、不動産やITについてちゃんと腰を入れて勉強しないとだめだなと感じました。

まあ、勉強して稼がないと馬の餌代が払えないんですよ(笑)。競馬とインターネット、競馬とデジタルはとても相性がいい世界なので、デジタルハリウッドで学んでいる人で競馬に興味がある人はぜひ声を掛けてください。

Q
デジタルハリウッドの現役の在学生や卒業生、関係者など、インタビューを読んでいる読者にむけてメッセージをいただければと思います。
A
30歳くらいまでに身につけたテクニックの量に応じて稼ぎが増えていくと思います。ある程度、年を重ねるとスキルだけを勉強しても稼ぎにはなりません。「この人に任せれば完成する」という総合的な“仕事力”が問われるようになってくるんです。

その力は、デジタルハリウッドで仲間とプロダクトを達成する中で、身につけることが出来ると思うんですよね。学校で学ぶスキルは5年くらい有効ですが、みんなで何かを成し遂げたという基礎体力は10年経っても20年経っても衰えないと思います。

だからこそ、学校の中での人付き合いはとても大事にした方がいいと伝えたいですね。

それに、デジタルハリウッドでできたネットワークは10年経っても20年経っても、なくなりません。もしかしたら10年後に「田中さんですか」と声を掛けられて、何かにつながることが出てくるかもしれないですよ。

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デジタルハリウッド大学大学院

田中俊平さん(占い師、会社経営、MBA)
大阪芸術大学卒業後、フリーランスとして働きながらデジタルハリウッド大学大学院へ進学。その後、立教大学大学院でも学ぶ。現在は、占い師兼会社経営者として働きながら、馬主、大家などの肩書きも持ち、幅広い分野で活動中。

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