Interviewインタビュー

No.26

公開日:2020/06/26 

新潟から最先端のクリエイティブの発信 今こそ知りたいリモートワークの極意とは?

スクール運営フリーランスランサーユニットリモートワーク STUDIO新潟

No.26

デジタルハリウッドSTUDIO新潟マネージャー
川谷 大陽さん

このインタビューは2020年5月当時の内容です。

受講生一人ひとりに寄り添い、思いに応えるSTUDIO新潟

Q
川谷さんはデジタルハリウッドSTUDIO新潟でマネージャーをされているそうです。マネージャーは、どんなことをするお仕事ですか?
A
川谷:スクールによってマネージャーの役割も異なりますが、STUDIO新潟の場合、スクールをどのように運営していくのかを方針を決めるのが大きな仕事です。入学希望者にコースを案内したり、受講生さんが目標を達成するために何をすればいいのかアドバイスをしたり、卒業生にお仕事を紹介したりするのもマネージャーの役割。入学前から卒業後まで、受講生の皆さんをサポートしています。
Q
STUDIO新潟の運営方針は?
A
川谷:東京や大阪など大都市にあるスクールと、新潟をはじめ小さい都市にあるスクールでは、方針も変わってくると思っています。新潟は大都市ではありませんが、そこまで田舎でもありません。受講を希望する方も「東京の仕事もしたいけれど、地場の仕事もしたい」という方が多いんです。ですから、一人ひとりに近づき、目標を叶えるためのサポートをしていきたいと考えています。受講生さんを指導するトレーナーも、デザインが得意な人、動画が得意な人、イラストが描ける人など幅広い人材がそろっているので、いろいろなニーズにこたえることができます。受講生さん一人ひとりとの距離が近く、スクールでの学びはもちろん、その後の仕事にも関わっているのが特徴ですね。
Q
川谷さんも新潟出身ですか? これまでのご経歴を教えてください。
A
川谷:新潟出身ですが、東京の大学に通っていました。大学では演劇映像学科を専攻していたせいか、堅い仕事に就くのがイメージできなくて。そこで、卒業後は雑誌の編集や広告制作を始めました。その後、若かったこともあって、もう少し自分でいろいろと企画できないかと思い、ベンチャー企業が手掛ける社会人スクールの企画・運営職を次のステップにしました。また、僕はラグビーをやっていたので、人が集まる仕事もしてみたくて、次はイベント会社に転職して。社会人のスクールの運営、雑誌や広告のディレクションやライティング、Web制作、動画制作をひと通り経験したことが、現在の仕事に生きているかなと思います。
Q
デジタルハリウッドとのつながりは? もともと受講生として通っていたのでしょうか。
A
川谷:社会人スクールの企画・運営をしていたことからつながりができ、STUDIO新潟が開校する際に声をかけていただきました。デジタルハリウッドに受講生として通っていたことはありませんが、開校時にカリキュラムを全部見せていただいたんです。普通はサラッと見るだけかもしれませんが、せっかくなら深く知ろうと思ってガッツリ受講させてもらいました。そういう意味では、受講生と言えるかもしれません(笑)。
Q
Web制作や動画制作の経験もあるそうですが、独学だったのでしょうか。
A
川谷:そうです。20年ほど前に就職した時、業務で必要になり、PhotoshopやIllustratorの使い方、映像やWebの作り方を独学で身につけました。でも、STUDIO新潟のマネージャーになる時、「ひと通り王道を学んでおかないと」と思い、それもあってカリキュラムをしっかり見せていただいたんですね。そこで「なるほど、こういうことだったのか」と腹落ちし、独学と王道が結びつきました。
Q
デジタルハリウッドで学んだことと、独学での学びは違いましたか?
A
川谷:全然違いましたね。例えばPhotoshopやIllustratorは、独学だと使い方が偏ったり、非効率的なやり方を覚えたりしがちです。でも、デジタルハリウッドのカリキュラムでは、偏りもなく効率的に使えるようになるんです。とはいえ、目指す職種によっては覚えなくていいこともあるじゃないですか。デザインの道に進むならPhotoshopやIllustratorは覚えなきゃいけないけれど、Webサイトの制作をしたいならコーディングをしっかりやったほいがいい、みたいな。その方が目指すところから、「それならこの技術を身につけましょう」と逆引きで教えてもらえるのがメリットだと感じました。

映像に関しても、そうです。僕は学生時代に映像を制作していたものの、その後仕事として関わるチャンスはなくて。そんな中、世の中で動画のニーズが高まり、デジタルハリウッドでネット動画クリエイターコースが始まったんです。そこでもう一度動画のスキルを見直したところ、昔はプロしかできなかったようなことも、ツールが進化したことで誰でもできるようになっていたんですね。「やりたいけれど環境が整っていない」ということは、もうないんだなと気づきました。このコースは今でも革新的だと思っていますし、デジタルハリウッドのカリキュラムの凄さを実感しました。

仕事は求められてするもの そこに、自分なりの価値をプラスすることが大事

Q
新潟という土地柄には、なにか特徴はありますか?
A
川谷:それがなかなか難しくて……。「東京の案件を東京に負けないくらいのクオリティで制作する」という特徴はありますが、それは新潟に限ったことではありませんよね。

“地方”というくくりで言えば、人との距離が近いことでしょうか。そのため、自分を知ってもらうことが、仕事を知ってもらうことにもつながります。ということは、自分が変われば仕事の中身もガラッと変えられるんですね。新しいことにチャレンジしたり、今までは自信がなくて「これ、できます!」と言えなかったことでもクライアントと一緒に取り組んだりできる。つまり、自分が変わると仕事も変わり、クライアントも一緒に変わっていけるんですよね。それが地方の特色なのかなと思います。

Q
STUDIO新潟では、そういった仕事のアドバイスもされているのでしょうか。
A
川谷:はい。大前提として、新潟でも東京でもニューヨークでもどこにいようと求められることは何も変わらないという話をよくしています。そもそもクライアントは、「新潟だから」という理由で何か特別なことを求めたりはしませんよね。明確な目的があり、そこで自分の価値を発揮するのが仕事。それは、どんな場所でも変わりません。

ちょっと話が硬いので、もう少し柔らかいことも言いましょうか(笑)。僕としては、クライアントに求められることをやるのがすごく大事だと思っているんです。昔は「Webの制作、できますか?」と聞かれ、「できます」と答えてから勉強を始めることもありました(笑)。世の中の動きを見て、「これからは映像だよな」と思って始めるのもそう。あまり芯がないんです。

Q
求められることをやり、自分にできることを増やす。それは大切な考え方ですね。
A
川谷:いろいろな方々と仕事をしていると、「今こういうものが流行っている」となんとなく肌感覚でわかるじゃないですか。そこで「それ、わからないんですよね」と言ってしまうと話が止まってしまうけど、「それ、流行ってますよね。僕も気になっていました」と言えば話が広がります。今は、東京でも新潟でも情報量は変わりませんよね。英語がわかれば、海外のサイトから情報をキャッチアップできます。そうやって最新の情報を仕入れておくことが大事だと思っています。

例えばWebサイト制作の打ち合わせをしている時、最近は「動画でマニュアルを配信したい」「動画で営業したい」という相談を受けることがよくあるんです。すると、今まで「できたらいいな」と思っていたことが、一気に自分ごとになり、仕事になる。そういう一歩先とは言わないまでも、半歩先くらいを走っているのがデジタルハリウッドだと思うんです。「次はこの辺が来そうだよ」というカリキュラムがそろっているので、すぐに取り掛かれるんですよね。

Q
川谷さんご自身は、新しい情報を仕入れるためにどんなことをしていますか?
A
川谷:やっぱりネットの力が一番大きいですね。情報のキャッチアップなら、SNSでも十分できると思っています。とにかく気になったこと、アンテナに引っかかったもの、自分はそこまで興味はないけれど流行っているものは片っ端からネットでチェックしています。本に関しても、気になるものを見つけたらブックマークにまとめておき、一気に全部買う。映像もNetflixなどを利用して、片っ端から見ています。

気になる人にも、積極的にコンタクトを取りますね。今はSNSのアカウントをフォローしておくだけで、セミナーの情報などが入ってきます。すると、その方を知ってから1ヵ月くらいで会いに行けるんです。メールでやりとりしてアポを取って……という感じではなく、カジュアルに会えちゃうんですよね。

Q
仕事をしていると、情報収集する時間を作るのも大変そうですが。
A
川谷:逆に言うと計画性や勤勉さがないので、やりたいことを先にそろえておき、「そのためには仕事を終わらせないと!」と自分を追い込んでいるんです(笑)。「今日は何時までに仕事を終わらせて、それからあの映像を見るぞ」みたいな。
Q
仕入れる情報は、映像系、テクノロジー系など傾向はあるのでしょうか。
A
川谷:雑多に集めるようにしています。そのほうが、人との会話でも話題をいろいろ引っ張り出せますよね。ポロッと出た話題が相手に響くと、話が一気に深まることも。そこから「これを仕事にするにはどういう提案をしようか」とアウトプットにつながっていくんです。
Q
では、仕事をするうえで大切にしている姿勢についてお聞かせください。
A
川谷:まず、仕事は求められてするものだという考えがあって。そこに対し、自分なりの価値を提供できなければいけないと思っています。求められてするけれど、自分がしたいことをする。そこは大事にしています。

世の中にはすごい人がたくさんいるので、僕ができることなんて歴史の中で誰かが必ずやっています。でも、それを徹底的に調べていくと、なんとなく「自分がやれること、自分が価値をつけられることはこれだな」というものが見つかります。それをやるということですね。

Q
マーケティング的な考え方に近いような気がしますね。
A
川谷:例えば雑誌を作る時に、「天才的な文章を書け」と言われても僕にはできません。でも、求められている水準くらいまでは行ける。そのうえで、文章と組み合わせる写真を重視したり、表紙と写真と文章を三位一体にしたりして、「これができるのは俺だよな」というところにポイントを置くんです。求められたものの中で、自分がつけられる価値は何だろうと考えていくと、自分らしさを出せるものが必ず1、2個見つかるのではないかと思います。

リモート会議は事前準備が重要 表情などの情報が伝わらない分、徹底した下準備を

Q
新型コロナウイルスの感染を防ぐため、最近はリモートワークをする方が増えています。川谷さんは、以前から新潟にいながら東京の仕事をされていましたが、リモートワークの先輩としてアドバイスはありますか?
A
川谷:クリエイティブの仕事は、デジタルデータのやりとりがメインなのでどこにいてもできますよね。とはいえ、東京のクライアントと初めて仕事する時には、最初の数回は「顔を合わせて打ち合わせしたい」と言われます。先方としても安心感を得たいでしょうし、東京と新潟は新幹線なら2時間弱で行き来できるので以前は普通に打ち合わせをしていました。その後、仕事のクオリティに安心してもらえるようになると、打ち合わせの回数は減っていくので、そこに不便を感じることもありませんでした。

ただ、今は新型コロナウイルスの影響で東京での打ち合わせもなくなり、完全にリモートになりました。そうなると、不思議なことにリモートのほうが疲れるんですよね。なぜなら、リモートだと伝わる情報が少ないから。リモート会議で相手の姿がモニターに映し出されても、目の動きなど細かいところまではわかりません。対面での打ち合わせは、話す内容も大事ですが、それ以上に相手のしぐさやニュアンスから「ああ、こういう感じの人か」と把握して満たされていたのだと思います。でも、リモートだと情報が少ないので、想像で補おうとして疲れてしまうんです。

僕からアドバイスできることなんてありませんが、ひとつ言えるとしたら、事前準備を徹底的にやることではないかと思います。議題があれば、あらかじめそれについて考えておく。アイデアや提案は、テキストベースで用意しておく。そうすれば、リモート会議は確認だけですむはずです。

リモートの打ち合わせでは、相手のニュアンスを受け取ることができません。自分でコントロールできないことに煩わされるより、自分ができることに集中したほうがいい。最終的に評価されるのは成果物のクオリティなので、そこに集中するしかないと思います。

Q
リモート会議でアイデアを出し合うのではなく、事前に準備して、会議ではアイデアや成果物の確認だけを行なう。そうすると疲れない、ということですね。
A
川谷:そう思っています。リモートの打ち合わせで「なにかアイデアを出してください」と言われると、時間がすごく長く感じるじゃないですか。4人で打ち合わせしていても、2人は無言ですし、スマホでも見てるんじゃないかと思うことも(笑)。それなら、お互いにアイデアを用意しておき、リモート会議では「どうしてこれを思いついたの?」「このアイデア、いいよね」と出した案について話したほうがスムーズじゃないですか。

リモートを不便だと考える人もいますが、僕としてはポジティブに捉えているんです。世の中にあるいろいろなものについて事前に探したり調べたりする時間ができるし、移動に時間を取られない分、打ち合わせで話すことを整理したり、プレゼンの練習ができたりしますから。

Q
難しい質問ですが、今後仕事のかたちはどうなると思いますか?
A
川谷:プロの価値は高まるんじゃないかと思っています。リモートの仕事ひとつとっても、僕らは慣れているのでどうってことありません。でも、中には「カメラってどこにあるの?」「リモートでどうやって仕事をするの?」という人もいます。そういう基本的なところも含めて、プロの底力を出せるんじゃないでしょうか。

その一方で、プロの価値が高くなればなるほど、プロに頼まなくてもいいことも出てくると思っています。STUDIO新潟の運営を行なっているので余計そう思うのかもしれませんが、「誰でも簡単にできる」ということにも需要があるんですよね。そのニーズを拾っていくことも、価値のあることだと思っています。

自分が得意なことを突き詰める方法もありますが、誰もが簡単にできることに自分だけの付加価値をプラスするのも仕事のやり方のひとつではないでしょうか。

デジタルハリウッドのネットワークがあれば、できない仕事なんてない!

Q
5月9日現在、STUDIO新潟はどんな状況にありますか?
A
川谷:新潟県はゴールデンウィーク明けに緊急事態宣言が解除されたため、現在は通常どおり運営しています。ただ、転職を目的とする受講生さんが多いので、今後求人が増えていくのか心配なところです。
Q
STUDIO新潟では仕事につながるところまでサポートしているというお話でした。どんなことをされているのでしょう。
A
川谷:転職・就職したい方に向けて、地元企業はもちろん東京の就職先も紹介しています。デジタルハリウッドは全国にスクールがありますし、東京には大学や大学院もありますよね。そのため、東京での転職・就職サポートも手厚くできるんです。新潟から東京に出たい方には、大きな強みですね。

また、僕がディレクションに入り、卒業生やトレーナー、在校生と一緒に仕事をすることもあります。デジタルハリウッドには、企業とデジタルハリウッド卒業生・在校生をマッチングする「xWORKS」、卒業生を中心としたフリーランスユニットで企業からの仕事を発注する「ランサーユニット」というサービスがあります。デジタルハリウッドを介して仕事を受注できますし、「デジタルハリウッドの卒業生である」というバックボーンがクライアントの信頼感にもつながっています。

さらに、良い仕事をすればクライアントの信頼関係が深まり、定期的に仕事を受注できます。新潟は動画クリエイターが豊富なので、特に動画制作に強いんですよね。企業のPR動画、商品紹介動画、株主総会の動画など、年間を通じて仕事をいただいています。そのうえ、Webサイトの制作やデザインもできるので、仕事の幅も広がっていきます。例えばAbemaTVの通販サイト「買えるAbemaTV社」では、はじめは画像制作の仕事を依頼されました。その成果物に対して「早いね」「丁寧だね」と認めていただき、キャラクターのロゴや番組のサムネイル画像、バナー画像など少しずつ仕事の範囲が広がっていったんです。デジタルハリウッドの「xWORKS」や「ランサーユニット」を通じて、STDUIO新潟のみなさんに仕事を提供できるのは大きいですね。

Q
在校生や卒業生に向けて、デジタルハリウッドのネットワーク、その強みをアピールするとしたら?
A
川谷:クライアントから仕事の相談を受けた時、できないことがひとつもないんですよね。「これ、できますか?」と聞かれた時、自分はできなくてもデジタルハリウッドを通じてできる人とつながれますから。なおかつ、ユニットで仕事を請けた時に、自分ができることが絶対ある。実際、デジタルハリウッド大学の先生の力を借りつつ、文化庁の国民文化祭のオープニング映像を制作したこともありました。こうした大きな案件も請け負えるんですよね。チームやユニットというゆるやかなかたちですが、そのつながりが強いのがデジタルハリウッドの強み。卒業生・在校生のみなさんにも、ぜひこのネットワークを活用していただきたいですね。

インタビュー:野本由起

デジタルハリウッドSTUDIO新潟マネージャー
川谷 大陽さん

新潟県生まれ。大学卒業後、雑誌編集や広告制作を経て、ベンチャー企業の社会人スクール運営・企画、イベント会社を経験。デジタルハリウッドSTUDIO新潟の開校時に、同スクールの運営に携わる。
デジタルハリウッドSTUDIO新潟 https://school.dhw.co.jp/school/niigata/

STUDIO新潟でも活用している「ランサーユニット」の詳細はこちら

▼法人向けページ
https://www.xworksdhw.com/lancerunitcompany
▼クリエイター向けページ
https://www.xworksdhw.com/lancerunitsg

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