No.74
(デジタルハリウッド大学大学院 2021年修了)
卒業生の様々な活躍を紹介するデジタルハリウッド校友会のインタビュー。このたび新たなシリーズが誕生しました。題して「卒業生PROFILE」。根鈴会長自らがデジタルハリウッド校友会の趣旨や活動を理解いただくために、歴代の卒業生や修了生を訪問しています。その際に伺ったそれぞれの「自分らしい生き方」やパーソナルな部分などを綴ってゆくシリーズです。
MY NOW
Q.今はどんな仕事をしていますか?
「スマホの画面を見ないで目的地に到着できるナビサービス」を提供する、LOOVIC株式会社の代表取締役を務めています。空間認知が苦手な方の悩みを解決する技術の開発を通じて「苦手を、苦手と意識しない社会をつくる」ことを目指しています。起業のきっかけは、私自身の子どもでした。彼は生まれた時からの脳の損傷により空間認知が苦手で、目的地まで辿り着くことが難しい人です。こういった方は、私たちの社会に5%存在しますが、そういった方のみといった特別扱いではなく、一般社会全体に貢献できるテクノロジーとして支援することで、苦手を感じさせない社会をつくりたいと考えています。
Q.今後の目標は?
私たちの周りには、気づかないまでも、さまざまな“苦手”をうまく周りに伝えられない人たちがいらっしゃいます。誰しもが恩恵を受けられるサービスにしていくことで、特別感なく社会に馴染むサービスになると考えています。優劣をつけて誰かを蔑むのではなく、あらゆる格差が平地になる社会。世界の貧富格差が縮まり、戦争が終わって平和が訪れる。そんな社会を、テクノロジーの力で実現したいと願いながら事業に取り組んでいます。
Q.山中さんにとって、自分らしく生きるとは?
起業した今、まさに自分を生きていると感じています。会社員として働いていた時は、いわゆる“忖度”をしたり、上司の指示に従っていればうまくいくと考えていたりして、自分らしく生きていなかったと今になって思いますね。もちろん他者へのリスペクトは必要ですが、一方で「誰かに認められたい」という過度な承認欲求は、組織としてはスムーズに進む反面、自分自身の個性を失わせてしまうと私は考えます。同じ人生を生きるのであれば、そのままの自分で楽しく生きていった方がいいのではないでしょうか。個性の違いを受け入れて多様性を認め合える社会が当たり前になるように、これからも挑戦を続けていきます。
HISTORY
Q. 入学のきっかけは?
起業のアイディアを実現するため
もともとはテクノロジー系の大手企業やスタートアップで経験を積んでいました。起業を考え始めた時、デジタルハリウッド大学院のイベントを知って参加。ここであれば、今までやってきたことに挑戦できると感じて入学しました。ビジネスにもアートが必要だという本学の考え方が決め手です。
Q. 在学中印象的だったこと
藤井直敬先生の「先端科学原論」
株式会社ハコスコを創業された藤井直敬先生による授業がとても印象的でした。藤井先生は社会的脳機能の研究を行っています。デジタルを介して脳内の情報が誰かの脳内に映るという、まさに攻殻機動隊のような世界が実現間近であることに衝撃を受けました。
Q3. 卒業直後は?
LOOVIC株式会社を正式に起業
在学中から活動していたLOOVICの事業で本格的に起業しました。短期間のうちに、IoT・デザイン・マーケティングなどデジタルコンテンツ開発に必要な知識が凝縮された講義を受けられたことは、とてつもなく良い影響がありました。これがなければ、今の事業はなかったなと思うほどです。
PERSONAL
Q. 人生のバイブル
松下幸之助の言葉「自修自得」
松下政経塾塾長、Panasonicを創業した松下幸之助の言葉です。「他人を頼り、人をあてにしていては事は進まない。前例のない前例を作るためには、自らの知識を行使して知恵を磨かねばならない」という戒めを自らに見立てて取り組んでいます。
Q. 私の趣味
家中の家具をDIY
レッドシダーを用いた木材で、家中の家具を手作り。設計図のない設計図をつくります。もちろん基本的な設計は使いますが、そこから追加するものの設計図は自分次第。自分で考えた設計で取り組めば、失敗作にも愛着が生まれます。
Q3. Myルーティン
まずはやってみること
「やってみる前にNOと言わない。やってみたら、その先に新しくやるべき課題が見える。自分ごと化しているかどうかで踏み込み可否の判断をつける」この繰り返しは、自分との戦いです。まずはやってみることが、前例のないルーティンにつながっています。