Interviewインタビュー

No.79

公開日:2024/06/05 

【卒業生PROFILE】和田元子さん|アメリカでの映画制作経験を経て、岡山で挑む新たな創作活動

No.79

和田元子さん/ CGアーティスト(デジタルハリウッド東京本校 修了)

卒業生の様々な活躍を紹介するデジタルハリウッド校友会のインタビュー。このたび新たなシリーズが誕生しました。題して「卒業生PROFILE」。根鈴会長自らがデジタルハリウッド校友会の趣旨や活動を理解いただくために、歴代の卒業生や修了生を訪問しています。その際に伺ったそれぞれの「自分らしい生き方」やパーソナルな部分などを綴ってゆくシリーズです。

※記事の内容は取材当時の情報を元に制作されています。

MY NOW

Q.今はどんな仕事をしていますか?

ニューヨークから帰国後、自然豊かな岡山県でCG作品を制作

アメリカのアニメーション企業・ブルースカイスタジオ(以下ブルースカイ)に所属し、3Dアニメーションのモデラーとして数々の映画作品制作に携わってきました。コロナ禍の影響でブルースカイが閉鎖したことを機にかねてからの願望である「自分の作品 (脳内妄想) を形にしたい」という思いと向き合うことにしました。アメリカで他のスタジオに移籍する選択肢もありましたが、自分を見つめ直すためにもしばらくの間ニューヨークから地元の岡山県に戻ることに決め、自然に囲まれた豊かな環境で、自分だけで一通りの工程を行えるよう勉強しながらじっくりと腰を据えてリモートワークでのCG作品制作に取り組んでいます。

Q.今後の目標は?

日本と諸外国の文化を、自分を通して錬金していきたい

長い期間アメリカで暮らし、たくさんの文化に触れる中で日本文化を客観的に見つめることができました。日本と西洋の美学・文化の違いを感じつつ、お互いに学ぶべき良い面があることを知りました。また帰国して日本の美を再発見している自分がいます。当面の目標は「脳内妄想を視覚化したい」という欲望に忠実に、今自分の中にあるものを取り出してCG作品として形にしていくこと。自分の脳内妄想は今や諸外国と日本の文化が融合した状態なので、その中から新しい美を抽出していきたい。また日本と諸外国がお互いの良い文化を学び合えるよう様々な形で発信していくのも目標のひとつです。

Q.和田さんにとって、自分らしく生きるとは?

小さな「好き」を見つけて自分の心を見極め、表現していくこと

「自分が何に惹かれて、何にときめくのか」を見極めていくことが、自分らしく生きる道だと思います。これって結構、難しいんです。なぜなら私たちは、親の価値観や社会の常識を押し付けられながら育っているから。好きなことを我慢するうちに、自分がどう感じているかさえわからなくなっている人も多いかもしれません。だからこそ、小さなことから自分の「好き」を見つけていくことが大事です。「この色が好きだな」とか、些細なことから自分の心をクリアに戻していけば、それはもう自然と「自分」なんですよ。そして願わくばその「好き」をどんな形でもいいから表現していく。他人との比較よりも自分の内面と対話することが自分らしく生きる鍵だと思います。

HISTORY

Q. 入学のきっかけは?

脳内妄想を実現できるCGに驚いた

「ターミネーター2」に登場する悪役に衝撃を受け、CGの可能性に興味を持ちました。もともとは渋谷の街で壁画を描くなどアートの活動をしながらインテリアデザインの会社で働いていたのですが、CGで自分の脳内妄想を実現したい!という衝動から、社会人でも夜間に勉強できるデジタルハリウッドを探して入学しました。

Q. 在学中印象的だったこと

PC争奪戦と、朝日が昇る東京

「オールナイトフリータイム」の時間です。卒業制作のために徹夜で作業していたのですが、PCの数が限られていてクラスメイトと争奪戦をしていたことが印象に残っています。明け方に教室の窓から見た、朝日が昇る東京も忘れられません。徹夜明けの頭で高層階から見る東京の朝焼けは、あまりに静謐で壮大で美しく、感動的でした。

Q3. 卒業直後は?

勤務先でCGを活かし、その後渡米

当時の勤務先でCGができる環境を作りました。例えば博物館の内装デザインの仕事ではCGで恐竜ロボットのシミュレーションを作成。次第にCGをもっと勉強したいという気持ちが強くなり、休職して渡米しました。美術系大学院で修士号を取り、現地のビジュアルエフェクトの企業に就職して、アメリカでのキャリアが始まりました。

PERSONAL

Q. 人生のバイブル

Don't think! Feel.

言わずと知れた映画「燃えよドラゴン」でのブルース・リーの名セリフです。私はある時から、脳味噌の使い方を間違えていたなと思うようになりまして。今まで大脳を使いすぎていた。もっと中脳や間脳を、アンテナのように使って情報をキャッチするべきだと。” Don’t think! Feel.” は、エゴと結びついた大脳で考えるな、五感+第六感を信じろ、という私の人生の指標です。

Q. 私の趣味

生け花、とにかく自然を満喫

長年マンハッタンのど真ん中に住んでいて、最近岡山の郊外にある実家に帰ってきたら、もう自然が美しくて感動しています。家の庭や散歩中の山道に咲く花々を切ってきては花瓶に生けています。花の配色を立体的に考えるのが楽しい。生け花はデジタルとは全く違う、植物を素材にしたアート作品なんだなと。これから畑で無農薬野菜も育てたい。とにかく自然を満喫中です。

Q3. Myルーティン

ヨガ、呼吸法&瞑想

呼吸法を取り入れたヨガは、瞑想の前に、瞑想の効果を高めるためにやっています。今まで色んなヨガをやってきましたが、呼吸法を意識してやるとより整います。瞑想はインスピレーションを得たり、頭をクリアにするのに有効です。何よりやっていて気持ちがいい。最近は瞑想中に掌の上に気の流れを感じられるようになってきました。幽体離脱まであと一歩です(多分)笑。

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