Interviewインタビュー

No.82

公開日:2024/09/02 

 【在学生PROFILE】野口雄大さん|連続テレビ小説『あんぱん』や大河ドラマの監督を務める現役院生

映像作家 デジタルハリウッド大学大学院

No.82

 野口雄大さん/映像作家 (デジタルハリウッド大学大学院院生)

デジタルハリウッド校友会の根鈴会長が、歴代の卒業生や在学生を続々と訪問!その際に伺ったそれぞれの自分らしい生き方やパーソナルな部分などに焦点を当てて綴ってゆくインタビューの新シリーズ、ぜひご覧ください。

MY NOW

Q.今はどんな仕事をしていますか?

2025年度のNHK連続テレビ小説『あんぱん』の監督を担当

大河ドラマ『どうする家康』をはじめ、数多くのドラマ制作に携わってきました。現在は来年放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』の監督を務めていて、秋からの撮影開始に向けて準備を進めているところです。
短編映画さまよえ記憶で初めて映画もつくりましたが、ドラマ制作にはドラマ制作の面白さがありますね。なんと言っても、特に朝ドラ、大河ドラマは日本中の多くの方に作品を届けることができるので、どの地域に行っても「観てました!」と反応をいただけるんです。
物語の大筋は僕ら制作側でつくりますが、視聴者のみなさんの反応や反響によって、先々の物語にも影響してくることがあります。なので、みなさんと一緒に新しい物語をつくる感覚もあります。そこにもドラマならでは楽しさがありますね。音楽に例えるなら、映画はクラシックで、ドラマはジャズみたいな感覚があります。

Q.今後の目標は?

作品を通じて、世界中の人と手をつなぎたい

2つあります。一つは「長編映画をつくること」です。昨年に『さまよえ記憶』を公開した時に、世界中の人と映画を通じて<手をつなぐことができる>という感覚があったんです。「自分のパーソナルな記憶にまつわる体験が、世界中に広がり、共鳴し、伝わるのか!」という驚きと、確かな手応えがありました。今後は直接会えないかもしれないけれど、一人でも多く、世界中の誰かの人生に、作品を通じて触れたいです。
もう一つは「配信ドラマをつくること」です。今は配信サービスを通じて世界中から面白いコンテンツが入ってくるのがデフォルトですよね。なので、私たちも全世界の人に届けることはすでに当然のことですし、日本から発信できる題材は沢山ありますが、まだ全然届けることができていないと思います。

Q.野口さんにとって、自分らしく生きるとは?

直感を信じること、自分をワクワクさせ続けること

「ドラマをつくりたい」「映画をつくりたい」など、これまで私は湧いてきた感情に正直に動いてきました。迷いが生まれる時って、直感ではなく頭で考えすぎて行動を起こさない理由を見つけてしまいますよね。やっぱり自分の心が動いていないとダメなので、そういう時は自分自身でワクワクすることを始めるようにしています。今までやったことがないことなど、全く想像がつかないことをやりたくなります。湧いてくる感情に素直でいられることは唯一誇れる“自分らしさ”です。今後も直感を信じて生きていきます!

HISTORY

Q. 入学のきっかけは?

落合賢先生と一緒に映画を作りたい

ドラマのディレクターとして働いていましたが、大学時代から映画が好きでいつかつくりたいと考えていました。そんな時、もともと交流のあった映画監督の落合賢さんがデジタルハリウッド大学院の教授になると知りました。うまくいけば先生のラボで修了課題制作に取り組み、映画をつくることができる可能性がある、という話を聞いて「これは先生のもとで映画をつくるしかない!」とチャンスに飛びついたのが入学のきっかけです。また、自身の未知のフィールドを開拓したい、という好奇心が抑えきれなくなったことも大きな理由です。

Q. 在学中印象的だったこと

生きがいを見つけた「修了課題制作」

まだ在学中ですが、修了課題制作の過程すべてがすごく面白かったです。インディペンデントの映画制作だったこともあり、本当にゼロから実体験に基づいて、自分の気持ちに誠実に向き合い、つくりあげることができました。「映画づくりが、こんなに自分の生きがいになるんだ」と気づかされました。ラボの仲間も本気で関わってくれました。時には喧嘩をしたり、試写会で号泣したりしてくれた仲間のことが印象的です。初めて自分で脚本を書いて、それを自分で監督し、プロデューサーも務めたことは、自分の枠を広げてくれる貴重な経験になりました。

PERSONAL

Q. 人生のバイブル

映画『Kids Return』

北野武監督の代表作。そして伝説の名台詞。
「これで終わったわけじゃないですよね」
「まだ始まってもいねぇよ」
映像はブラックアウトし、久石譲のエンディングテーマが流れてくる。観終わった後、バーッと鳥肌が立ったことを今でも鮮明に覚えています。落ち込んだ時、この台詞・映画を思い出し、生きている自分を再確認します。どんな状況でも前に進んでいくんだと、まだ始まってもい
ねぇんだと、魂を奮い立たせてくれます。

Q. 私の趣味

旅、写真、バスケ

学生時代、バックパッカーをしていたこともあり、行ったことのない場所を旅することが大好きです。旅の中で人や景色と出会い、写真を撮り、その旅でしか味わえない時間を過ごす。最近では特に、生み出した映画と共に、世界中の映画祭を巡り、作品を通じて人と会話し、その土地の美味しいものを食べ、そこでしか見ることの出来ない景色を見て回っていきたい欲が高まっています。そして、必ずや、世界一周はします!

Q3. Myルーティン

朝散歩

毎朝20分、散歩しています。お気に入りコースの多摩川沿いをテクテクと早歩きで散歩することで、体調的にも精神的にも整います。頭がスッキリするので、朝散歩の後に脚本執筆などのクリエイティブワークをすると、めちゃくちゃ捗ります。朝散歩を始めてから、完全に朝方にシフトチェンジしました。たまに気象条件が良いと富士山も見え、自分が悩んでいることや、気にしていることが小さく感じられ、「ま、死ぬわけじゃないし、大丈夫か」とポジティブな気持ちになることができます。以前はジョギングで、幾度となく断念していたのですが、朝散歩は全く疲れず、爽快感が味わえるのでオススメです!

一覧へ戻る

←トップに戻る