No.1
WEBデザイナー
奥山 由美子さん(デジタルハリウッド横浜校卒業)
このインタビューは2015年11月当時の内容です。
3年前に再び、STUDIO横浜へ入学
――奥山さんがデジハリに通っていたのは、いつ頃でしょうか。
10年ほど前、デジタルハリウッド横浜のWebプロデューサーコースに通っていました。卒業制作の発表で株式会社アイ・エム・ジェイにスカウトされて入社しましたが、数年勤めたのち退社。その後はWebに関わる仕事をしたいと思いつつ、まったく関係ない仕事をしていました。
――その後、フリーのデザイナーとして活動するまでの経緯を教えてください。
35歳が転職できる年齢の区切りだと思い、それまでに身を固めようと考えていました。そこで、改めて自分が何をしたいか考えたところ、やっぱりWebだと思ったんです。以前はWebプロデューサーをしていましたが、もっと現場に近い制作の仕事をしたくて……。手に職をつけるため、3年前に1期生としてSTUDIO横浜に入学しました。
フリーになってしばらくは「この先どうしよう」と考えていました
――卒業後はすぐにフリーランスとして活動を始めたのでしょうか。
いえ、現場を知るためにWebディレクターとして制作会社に入社しました。でも、現場を見るにつれてますます制作に携わりたいという気持ちが高まり、約半年で退社することに。フリーになったのはその後です。
――独立するのは大変ではありませんでしたか?
すぐに仕事を始めたわけではなく、しばらくは「この先どうしよう」と考えていました。そんな時、STUDIO横浜の卒業制作のことを思い出したんです。卒業制作では私が通っていたメイク教室のサイトを作ったのですが、その先生から「ブログのデザインを新しくしたい」と頼まれていたんです。時間もあるので引き受けたところ、とても気に入っていただき、チラシやロゴ、名刺のデザインまで頼まれました。フリーとして仕事を受けるようになったのは、それからです。
デジハリで培った「人脈」が仕事に
――仕事はどのように広げていったのでしょうか。
最初は知り合いからですね。STUDIO横浜のスタッフや卒業された先輩からも、仕事をいただきました。
――デジハリで培った人脈が活かされたんですね。
そうですね。1期生ということもあり、交流が深かったんです。2期生や3期生とも仲良く、後輩の卒業制作を見に行ったり、クリスマスなどのイベントに参加したりしていました。いまだに卒業制作を見に行くこともありますよ。卒業制作には作った人の性格や考えが現われるので面白いんですよね。在校生の発想から、刺激を受けることも多々あります。また、デジハリで出会ったコーダーの方と組んで仕事を受けたり、STUDIO横浜のトレーナーさんから紹介されたコーダーと仕事をしたことも。こうして仕事や人脈を広げられるのは、デジハリの強みですよね。フリーを目指す方は、ぜひスタッフと積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。
――これまでにどのような案件を手がけたのでしょう。
横浜市長浜ホールのホームページや、高齢者用手すりのランディングページなどです。これはクラウドソーシングのサイトで応募しました。
――クラウドソーシングは、条件があまり良くない案件もあります。どうすれば、うまく仕事を進められるでしょうか。
コンペやプロジェクト形式の案件は、採用されないと時間を無駄に浪費することになります。そのため、長期的につきあえるデザイナーを探している会社を見つけ、応募するのがよいと思います。自分の知らない分野のサイトを作るのも、新しい人やものに出会えて楽しいです。
苦労を感じたことはありません。課題はありますが、それを苦労とは思っていないんです
――仕事をするうえで、やりがいを感じるのはどんな時でしょう。
仕事を紹介してくれた人、いっしょに制作している人など、身近な人たちに喜んでもらった時ですね。まず身近な人に喜ばれなければ、その先のユーザーにも届かないと思うんです。
――逆に、難しさを感じる点は? 苦労するのはどんなことでしょう。
フリーランスで仕事を始めてから、苦労を感じたことはありません。クライアントの数が少ないなど課題はありますが、それを苦労とは思っていないんです。「取引先を増やすには人間性をさらに豊かにする必要があるかな」「こういう技術を身につけたら、仕事の幅も増えるかも」と考えることはありますが、それも楽しいんですよね。
――他に、お仕事上の悩みやそれを解決するために心がけていることはありますか?
デザインやWebサイトには、流行りがあります。どういうサイトが流行っているか、動向調査は欠かさないようにしています。例えば、今なら「フラットデザインが流行っている」など、仲間との情報交換やネットでの情報収集は常に心がけています。
――確かにフラットデザインは流行していますね。でも、デザイナーとしてはあまりデザインに凝ることができなくて味気なく感じませんか?
あまりにも定型化すると、デザイナーの出る幕はなくなるんじゃないかと思います。機械が取って代わる仕事なら、そこを極める必要はないなと感じることもあります。とはいえ、どこか人のぬくもりが感じられる、人間味のあるデザインがまだまだ必要だと信じています。
デジハリで「仲間ができたこと」がいちばん大きな財産
――では、奥山さんがデザイナーとして今後挑戦したいことは?
キャットシッターのサイトをデザインした時、手描き感を求められたんです。それならイラストを入れようと考え、自分で小さなイラストを描いたんです。その時、幼い頃に絵を描くことが好きだった自分を思いだし、もっと大きな絵を描きたくなって……。そこで来年はイラストの学校に通うことにしました。他には、写真についても学びたいですね。作れるサイトの幅も広がると思います。
――フリーランスで活躍するには、その人ならではの個性や武器が必要です。奥山さんは、自分の武器は何だと思いますか?
デザインはまだ胸を張れるレベルではありません。強いて挙げるなら人間性でしょうか。「この人といっしょに仕事をしたい」と思ってもらえる何かがあるんじゃないか……と、自分を信じています(笑)。
――では最後に、デジハリでの生活がどのように仕事に活かされているか、教えてください。
やはり、仲間ができたことがいちばん大きな財産です。私ひとりでは何もできないので、仲間に助けられています。他には、トレーナーさんから「フリーランスで仕事を続けるにはどうすればいいか」というリアルな話を聞けたのも、とても役に立ちました。今後も、卒業制作展や同窓会などを通じて、いろいろな方にお会いできたらうれしいです。
インタビュー : 野本由起
WEBデザイナー
奥山 由美子さん(デジタルハリウッド横浜校卒業)
2014年にフリーランスデビューした新米デザイナー。自宅でWeb、ロゴ、名刺、フライヤー等のデザイン制作を行っている。デジタルハリウッド横浜校(閉校)ではプロデューサーコースを専攻、STUDIO横浜ではWebデザイン専攻と、二度に渡りデジハリに通学。好奇心旺盛で常にやりたいことがいくつもあり、2016年にまた新たなスキルアップを目論見中。
WEB SITE : http://www.plusichido.com