Interviewインタビュー

No.4

公開日:2016/03/22  取材日:2016/01

教育、医療、貧困、地球温暖化…… 社会問題に取り組み、人の幸せのために活躍したい

在校生 デジタルハリウッド大学

No.4

加藤 奈津実さん(デジタルハリウッド大学学生)

このインタビューは2016年1月当時の内容です

「すべてをエンタテインメントにせよ」という学長の言葉に、深く共感しデジハリ大へ

――加藤さんがデジタルハリウッド大学に入学した理由を教えてください。

高校卒業後、1年間浪人していたんです。でも、行きたい大学がまったく見つからなくて……。バイトをしたり、免許を取ったりしながら自分の好きなことを模索していましたが、年が明けても志望校を決めかねていました。そんな時、たまたまTBSの『夢の扉+』という番組を見たんです。そこに出演されていたのが、東大とデジハリ両方に通っていたサイエンスCGクリエイターの瀬尾拡史さん。臓器などをCGで再現して、患者さんに見せながら説明している姿を見て「これだ!」と思いました。医療という難しい分野を、デジタルと組み合わせることでわかりやすく伝えている点に感動したんです。こうした分野を学ぶには、デジハリ大しかありません。ちょうど同時期にオープンキャンパスがあったので、早速参加し、受験しました。

――以前からデジタルの分野に興味はあったのでしょうか。

実は、以前は哲学科志望だったんです。大学にも出向いて、「東洋哲学をみんなにわかりやすく伝えるために、デジタルとかけ合わせたい」と教授に話したこともありました。でも、「そんなことは必要ない」「難しいからこそ哲学なんだよ」と言われ、受け入れてもらえませんでした。そんな時に、瀬尾さんの番組を見てデジハリ大を知ったんです。「すべてをエンタテインメントにせよ」という学長の言葉に、深く共感しました。

――現在はどんなことを学んでいますか?

CG、映像、Web、グラフィック、マーケティング……すべてやりました。デジハリはいろいろなことをできるのも強みですし、私もひとつのことを掘り下げるより、いろいろなことにチャレンジしたかったので。アメリカにも8ヶ月間留学しました。

――できることすべてに挑戦していますね。

そのせいで、最近は器用貧乏って言われます(笑)。これからは就職のためにも、的を絞って強みを磨いていきたいと思っています。

デジタルハリウッド大学学生 加藤 奈津実さんの写真 その2

芸能活動、動画制作、起業、多岐にわたる分野で活躍中

――所属しているゼミについて教えてください。

長田先生のマーケティングのゼミです。今、就活に向けて自己分析をしていますが、私は人と話すのが好きだし、何かを改善したい、提案したいという気持ちが強いんです。そこで、マーケティング、企画のゼミにしました。それに、私は小さい頃から貧困や地球温暖化の問題に興味がありました。飢餓に苦しむ子どもたちの写真展を見て「こんな不平等をなくしたい」と思ったり、自由研究で街路樹の葉の汚れを調べたりしていましたし、高校時代には国連で働きたいと思うようになりました。デジハリ大に入学後、長田先生と話をしたら、先生は国連からオファーを受けたことがあるとうかがって。将来について、長田先生に相談したいという気持ちもあって、このゼミを選びました。

――マーケティングのゼミではどのようなことを学ぶのでしょう。

売れている企業とそうでない企業を比較・分析したり、ターゲットに合わせた戦略を考えたりしています。私はモデルとしても活動しますが、芸能界では自分もひとつの商品なんですよね。つまり、自分をマーケティングしているわけです。それもあって、マーケティングの大切さを実感していましたし、世の中はマーケティングだなと思いました。

――卒業後の進路については、どのように考えていますか?

以前は大学院に行こうと思っていました。でも最近は、一度社会に出て自分に何が足りないかを知り、お金を貯めたうえで大学院に行こうと思うようになりました。高校時代は「国連で働きたい」という夢がありましたが、実際に働いていた方から話を聞いてみると「国連で働くことがすべてではない」と考えるようにもなりました。今は、自分にとってベストな就職先、能力を活かせる場所を探している最中です。貧困、環境、テロなどの問題に関心があるので、外務省や厚生労働省、環境省にも興味を抱いています。今度、外務省の業務説明会にも参加する予定です。もちろん一般企業も視野に入れています。まだ絞り切れていないので、とりあえずいろいろな企業に顔を出したいですね。企業によってニーズが違いますから、まずは相手を知って、自分の強みをアピールしたいと思います。それもマーケティングの一貫です(笑)。

――いろいろなところに参加して、自分が進むべき道を探しているところなんですね。

ずっと大学にいます。デジハリ大が好きすぎて、家よりも大学にいる時間のほうが長いかもしれません(笑)。
図書館で本を読んだり、課題制作をしたり、あとは最近ちょっとした起業をしてアクセサリーの販売を始めたんです。その企画を大学の会議室で考えることもあります。

――デジハリ大のお友達と起業されたのでしょうか。

もともとは母と始めましたが、興味のある友達を誘って一緒に活動しています。アクセサリーの売り上げの一部をユニセフに寄付しようと思っているので、そのためにどういうコンセプトで売るのか会議室で企画を練っています。
デジハリ大の学祭にも出店しました。

――その他に芸能活動もされているんですよね。

インターンシップがきっかけで、女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」でモデルの仕事をしています。トラベル、メイクなどの動画に出演し、撮影、編集も自分で手がけています。中でもアクセス数が伸びるのは、ネタ系の面白い動画か実用的なヘアメイク動画。去年の4月に始まったばかりのサイトなので、全員野球みたいな感じで企画もプロデューサーやスタッフと一緒に考えています。将来的には、日本発のYouTube、Instagramのような存在にしたいという思いで取り組んでいます。

デジタルハリウッド大学学生 加藤 奈津実さんの写真 その3

人とのつながりを作れるのもデジハリ大の強み

――では、デジハリ大に入って楽しかったこと、良かったことは?

全部です! 毎日楽しいし、デジハリ大の学生が大好きなんです。新しいことに挑戦しているので気が合うんですよね。他大学の友達と話していると、物足りなさを感じることもあります。ITに強い友達も少ないので、うらやましがられることも多いですね。

――他大生との違いを感じるのはどんな時でしょうか。

アンテナですね。他大生は点数を上げることは上手ですが、自分から何かを作ろうという人はなかなかいません。デジハリ大は起業して社会人として働いている学生も多いので、現場を知っているんですよね。頭で考えるより、行動して何かを得ている人が多いんです。

――デジハリ大は、先生も第一線で活躍されている方ばかりです。先生との関係についてはいかがでしょうか。

私は杉山学長と仲がいいんです。「友達?」ってみんなに言われるぐらい(笑)。進路相談に乗っていただくこともありますし、逆に「こういう仕事があるけどやってみる?」とお話をいただくことも。杉山ゼミにもちゃっかり参加して、話を聞いています。杉山ゼミは、社会で活躍されている方がゲストとしていらっしゃるので、刺激を受けるしモチベーションも上がるんですよね。人とのつながりを作れるのもデジハリ大の強みですよね。

デジタルハリウッド大学学生 加藤 奈津実さんの写真 その4

毎日が挑戦、前に向けて一直線に突き進む、勢いのある存在でいたい

――では、今後の目標を聞かせてください。

「人の幸せのために活躍したい」という思いは、ずっと私の中にあります。中でも重要だと思っているのが、教育と医療。また、子どもの頃から関心を抱いている地球温暖化についても、危機感を覚えています。こうした問題を解決できる仕事に就きたいと漠然と思っています。また、女性は結婚や育児のことも考えなければなりません。最近は「子どものことを考えたら、制度がしっかりした海外で育てたい」「お母さんをどうやって養っていこう」「結婚したら相手の家族のことも考えなきゃ」と、先のことまでいろいろ考えています(笑)。まずは、周りの人たちを幸せにするために、今自分に何が足りないのか考えなければなりません。毎日が挑戦ですね。

――お話をうかがっていると、考えが非常にしっかりしていますよね。

母の存在が大きいと思います。私には父がいなくて、ずっと母ひとり子ひとりで育ってきました。母は夜遅くまで働いていましたが、私に愛情を注いでくれたので寂しいと思ったことはありません。母は私のために働いてくれたので、母を幸せにしたいという思いが強いんですよね。だから、こういう考え方になったのかもしれません。私が中学時代に「上京したい」と言った時には、母もついてきてくれましたし。母は東京で再就職し、現在は環境関係の企業で部長になりました。

――いつから東京へ?

静岡で育っていましたが、高校入学を機に東京に出てきました。世界のことを考えるには、まず東京を知らないといけませんよね。そこからは環境がガラッと変わりました。東京は時間の速さ、考えること、日々の暮らしがまったく違うんです。私にとってはターニングポイントでした。

――大学入学まで待たずに、高校で上京したのはすごい行動力ですね。

ふたりきりの母子家庭なので、フットワークが軽いんです(笑)。いつでもどこへでも行けるので、「それなら東京へ行っちゃおう!」って。でも、私だけが特別なのではなく、誰にだって可能性があると思うんです。「私には何もできない」と言う人にも、ひとりひとりに使命があるはず。だからこそ「みんなで一緒にがんばろう」という気持ちなんです。そのための突破口として、まず私ががんばらなければと思います。前に向けて一直線に突き進む、勢いのある存在でいたいですね。

インタビュー : 野本由起

加藤 奈津実さん(デジタルハリウッド大学学生)

CG、映像、Web、デザインなどを幅広く学ぶ3年生。現在は、長田有喜教授のゼミでマーケティングについて勉強中。また、桜木にいなの芸名でモデルなどの芸能活動も。女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」で公式クリッパーとして活躍している。
C CHANNEL:
https://www.cchan.tv/clipper/sakuraginiina/
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