Interviewインタビュー

No.47

公開日:2022/01/12 

「先生」や「生徒」という枠組みを超えて対等に話せた環境が、コンテンツプランナーとして大切にすべき姿勢を育んでくれた

グループマネージャーコンテンツプランナー デジタルハリウッド大学

No.47

株式会社電通デジタル
エクスペリエンスデザイン事業部 グループマネージャー/コンテンツプランナー
今井裕香里さん(デジタルハリウッド大学卒業)

高校卒業後、デジタルハリウッド大学で学んだ今井裕香里さん。今は広告業界でコンテンツプランナーと、後進の指導を中心に活躍されています。大学で学んだことだけでなく、出会いや人間関係、価値観が、仕事に対してどのように影響したのか伺いました。
(※このインタビューは、2021年11月当時の内容です)

印象に残った、南雲治嘉教授による「発想論」での意外な課題

Q
デジタルハリウッド大学に入学されたきっかけを教えていただけますか。
A
大学受験で志望校を探していた時に、「デジタルハリウッド大学」という名称にインパクトを受けたのがきっかけでした(笑)。調べてみると当時の試験内容に、「英語」が入っていたんです。高校生の頃に英会話の勉強をしていて留学に興味があったので、在学中に留学に行けて、かつ単位として認めてもらえるという点にも魅力を感じて、この大学に決めました。結果としては、他の大学に行かなくてよかったと思っています。
Q
印象に残っている授業はありますか。
A
南雲治嘉先生の「発想論」は印象的でした。最初の授業で、まず「家からハワイへ行く方法を100個考える」という課題が出されるんです。一所懸命考えて次の授業に挑んだら、今度は「考えてきた100個とかぶらない1個を絵にしなさい」と言われて。正直、がっくりきましたね(笑)。でも、そこから新たに1個を考えるとなると、既にありきたりのアイデアは出尽くした状態。何かひねり出さなきゃ!と、視点を変えた案を出すことができるんです。

プランナーには、アイデアや発想、イメージといったものを具体的な言語に落とす技術が求められます。今いる会社でアイディエーションのワークショップを担当させてもらうことがあるのですが、そんな時は、南雲先生の授業で学んだことを参考にさせていただいています。デジタルハリウッド大学で、アイデアや視点の幅の広げ方など学ぶことができたのは本当にいい経験でした。

「マーケティング」という異分野への挑戦、きっかけは大学での助言

Q
デジタルハリウッド卒業後のキャリアについて教えてください。
A
留学先から日本へ帰国したのが、ちょうど新卒採用の一般的な書類選考が終わってしまうタイミングだったんです。就職活動は難航するかと思ったのですが、ゼミの先生が教えてくれた国内大手ECサイト運営事業会社の求人に応募をしてみたところ、ありがたいことにスルスルと選考が進んで、無事に採用通知をいただくことができました。

制作として入社したのですが、途中でデジタルマーケティングを学んだ方が今後キャリアを積み上げやすくなるのではと考え、SEOを支援している部署への配属を希望しました。

Q
それは意外な選択ですね。なぜ「制作」から畑違いの「マーケティング」に?
A
数学が得意というわけではないんですけど、子どもの頃から足し算、引き算、掛け算、割り算が好きだったという理由が一つ。それに大学時代に留学をした経験も大きかったですね。海外で一人暮らしをしていると、目に見えてお金の価値が分かってくるので、先立つものって大事だなと、その時強く認識しました。大学の先生に「年収をコンスタントに上げていくには、まずアカウントを握ることが大事だ」とアドバイスいただいただいたことも印象に残っていて。アカウントを握れてかつ会社の中で予算もある部署ってマーケなんですよ。

SEOを頑張ってきた結果、次は広告をやってみたいと思い、ステップアップとしてまずは電子書籍配信・販売をしている会社へ転職。そこで広告の運用や予算管理、クリエイティブ管理を経験したのち、ネクステッジ電通(現・電通デジタル)に入社しました。

Q
現在、電通デジタルでどのようなお仕事をされていますか?
A
当初はSEO兼コンテンツプランナーとして現場に出ていたのですが、現在は管理職となり、グループマネージャーとしてチーム全体を見る役割に注力しています。他の仕事を兼務することもありますね。最近は営業のような仕事も増えてきました。案件を要件整理したり、予算管理をしたりして、チームメンバーに渡せる状態まで持っていく、ということもしています。とはいえ、現場仕事がゼロになったわけではありません。コンテンツプランナーとしてコンテンツの企画を立て、ライターやカメラマンと一緒にコンテンツを作り上げていくということも時折やっています。

去年や一昨年は、外部セミナーなどイベントに呼んでいただいて、登壇する機会も多くありました。他には先ほどお話ししたような、社内向けの講義や研修をさせていただくこともあります。

大学の先生や同級生から学んだ「互いをリスペクトする」という姿勢

Q
仕事をされる上で喜びを感じる瞬間、逆に難しさを感じる瞬間を教えてください。
A
喜びを覚えるのはお給料日ですかね(笑)。私はこれだけ振り込んでもらえるほどの価値を生み出せたんだと、目に見えて実感することができるので。あと、ちょっとカッコつけたことを言うと、後輩や部下が育ってきた姿を目にできることは、仕事の喜びの一つですね。教えたことを業務のなかで反映している姿をみると、嬉しくなります。

難しさを感じるのは、コミュニケーションですね。クライアントや外部スタッフの方々とのコミュニケーションももちろんですが、社内においても私たちはさまざまな職種や部署の方々と、共通言語もあるかないか分からない状況でチームを組んで動かなくてはいけません。クリエイターの仕事は、現場を知らない方にはなかなか理解されにくい部分も多く、そういった認識のズレから摩擦が起きないよう調整することに苦心しています。

Q
現在のお仕事をされる上で、「信念」のようなものはお持ちでしょうか。
A
職業柄、自分が発注することもあれば、発注される立場になることもあります。いつ、どこで、誰が自分のお客様になるか分からないのです。だからこそ、絶対信頼を欠かないように、誰に対しても丁寧に対応するよう心がけています。

こう考えるようになったのも、デジタルハリウッド大学での経験が大きいかもしれません。大学ではプロとして制作の現場などで活躍している方々が、先生やティーチングアシスタントをされていましたが、彼らは私たち学生にも対等な目線で向き合ってくれていた気がします。これは社会に出てから気づいたのですが、きっと将来クライアントになる可能性もあると考えて、生徒にもクライアントや同業者のように接してくれていたんでしょうね。

お互いを尊重し合う文化は、学生同士にもあった気がします。大学では人によって取っている単位も違えば、専攻も異なりました。グラフィック、映画、3D、ビジネスなど、それぞれが学びたいことを専攻していたからこそ、友だちからやったことのない領域で困っていることなどを聞くことができたのは大きいですね。仕事の仲間とは異なり、忖度なくそれぞれの領域からみた意見を聞くことができる環境は大学ならではだと思います。彼らのおかげで、専門家へ対するリスペクトの仕方を学ぶことができましたし、制作会社とやりとりする時の配慮も学べました。この体験は今も仕事の根底にあると感じています。

Q
今後の今井さんのご展望についてお聞かせください。
A
自分を追い抜かすような若者を育てていきたいです。とはいえ、私自身も常にアップデートしているので、まだまだ追い抜いていく後輩は出てこなそうですね(笑)
Q
デジタルハリウッド校友会に期待したいことはなんでしょうか?
A
個人的な希望では「お見合い会」とかしてほしいです(笑)。仕事に理解ある状況からスタートできるのでいいなと思うのですが、いかがでしょうか。デジタルハリウッドの学生って本当に個性派揃いで、社会に出るとそこまでエッジのある人ってなかなか出会う機会もないので、正直退屈でもあるんですよね。

真面目な話では、デジタルハリウッドの卒業生とお仕事するご縁があれば、いいなあと思っています。デジタルハリウッド卒業生へのメッセージとしては、業界で私のことを見かけたら優しくしてください!お仕事でご一緒させていただく際はお手柔らかにお願いします。

今井裕香里さんが学んだコースはこちら↓↓
デジタルハリウッド大学

株式会社電通デジタル
エクスペリエンスデザイン事業部 グループマネージャー/コンテンツプランナー
今井裕香里さん(デジタルハリウッド大学卒業)
国内大手ECサイト運営事業会社にて2011年より事業横断型でインハウスSEOコンサルティング業務に従事。2015年より、現職で顧客と消費者のコミュニケーション戦略立案からプロジェクトマネージメント業務を担当。SEO知見を軸にした戦略立案からコンテンツの企画、制作ディレクションまで一気通貫で対応できることを強みにコンテンツマーケティング全体のコンサルティングに対応領域を拡げている。

一覧へ戻る

←トップに戻る